すぐにハメなきゃいけません

ハメに行ったぜ!

 

 

 

 

 

差し歯をな!

 

 

 

 


最近前歯の差し歯がだんだんと浮いてきた。

 

私は3年前に虫歯で前歯2本を抜歯したのだが、その補填で両隣り2本ずつの歯を削って6連結の差し歯をハメているのだ。

 

そして最近どうやらその差し歯を固定する接着剤が取れてきたらしく、差し歯がカパカパ外れてきたのだ。

 

 

以前の自分だったら間違いなく痛みが出るまで断固として病院には行かないのだが、今の小川は一味違った。

 


もし、ズレた差し歯の間に食べカスが入って、中で虫歯が進行していたとしたら……!

 

仮にそんなことがあれば前の歯6本を全て失い、22歳にして総入れ歯デビューを果たしてしまう……!!!

 


歯の異常を放置のスタンスで過去に2本の前歯を失った男。同じ轍は踏まんぞと鬼気迫る表情で歯医者に急ぎ電話をするのであった。

 


差し歯を作ってもらった歯科はなぜか隣駅に移転していたので、
Googleマップで評価高めな場所をチョイスするのだが……?!

 

 

 

 

選ばれた戦場、その名前は……!

 

 

 

 

 

 

 


〇 〇 〇 フ ァ ミ リ ー 歯 科

 

 

 

 

 

 

 


ここって子供用の歯医者なんじゃないの?と少し思ったのだが、ホームページには子供用とは書いていなかったし、

口コミの評価も高かったし、家からも近いという好条件におされて予約しまった。

 


それに「ファミリー歯科」である。


ファミリーなんぞや?と考えた時、まず初めに思い浮かぶのは父と母。

ファミリーには大人が含まれてるしOKでしょ!

 


まぁそんなことを考えてファミリー歯科に向かったのだ。

 

 

 

病院に着くと、受け付けに保険証を出しいろいろ書類に記入をした。

 

生年月日を書く欄の上に書いてある「   生   年   月   日   」の隙間の所に自分の生年月日を書いてしまうドジっ子属性っぷりを見せたところで、周りを見渡すと、

 

 


あぁ、いるじゃないか、大人。

 

 

 

子供用の歯医者だという心配はどうやら杞憂に終わったようだったと安心した……

 


のもつかの間、隣に座っていたおばさんががナースに呼ばれる

 

 

 

 

 

 

「はやとくんの保護者の方〜!」

 

 

 

 

 


ひええ〜

保護者だったんかい!!

 

 

 


なんと座っていた大人は全員保護者だったのだ……

 

 


ドアの中からぞろぞろと幼稚園児くらいのガキんちょが出てくるのだ……泣ける……

 

 

 

今すぐに帰りたいところだったが、歯の為にも、倫理観的にもそんなことはできない。

 

 

ここで、窮地に立たされた小川には選ぶべき2つの道があった

 

 


一つ、
毅然とした大人の態度をとって治療の痛みに微動だにしないことで、ガキとの違いを医者に見せつけ「あ〜こいつ、子供用歯医者だって知らなくてきちゃったのか」と思わせる道。

 

 


一つ、
治療の痛みに「痛いよ〜」と騒いで、子供のふりをする道。

 

 

 

 

 


私は、キリッとした面持ちで手術台に歩いていったのだ……!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小川「痛いよ〜!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん毅然とした態度で治療を受けるつもりだったのだが、あまりにも痛かった。

 

差し歯のために神経ギリギリまで歯を削っているのに、そこを金属の棒でガリガリされる訳だからたまったものではない。中世の拷問だ。

 

ナースは、歯ぐきと差し歯の間に歯間ブラシを通そうとしてくるけど、そこは構造上歯間ブラシの通る場所ではないのだ。歯茎は血がダラダラでこれまたたまったものではない。

 

 

 

 

術式は終了。差し歯は無事にハメなおし、歯にも異常はなかったのだが、心身共に大ダメージを受けしまった。

 


ちなみに帰り際に、どこぞのおじいちゃんが歯の治療を受けてるのを見かけて、成人は自分だけではないことがわかったが、あのおじいちゃんも間違って来てしまったのでは…………?

 

 


4月10日にまた来てくださいと言われたがどうしたものか。

 

 

 

うーん。

 

 

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おやすみ